恋愛、婚活

社会人デビューした僕が合コンであっという間にチキンハートに戻った話。

 

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 僕は、いわゆるちびまる子ちゃんの「ガーン」の顔になってしまっていた。彼女の顔を見た瞬間だ。何という確率なのだろう。帰りたいと何度も心の中で叫んだ。けれど、もう会は始まってしまっているので帰れない。

 しょうがないので、とぼとぼと店に僕は向かった。振り返ると友人Mも気がついたようだ。彼の顔も凍っていた。

 10数年前のことである。社会人デビューを果たした僕は仲間たちとよく合コンに行っていた。合コンに期待することといえば、当然、出会いしかない。もっと言えば、自分のことを知らない異性と出会うことだ。

 間違っても、過去の自分を知っている女の子とは会いたくない。ましてや自分の暗黒時代を知っているなら、なおさらだ。だから、ひるんだ。

 とりあえず、僕はできるだけ彼女から離れて座ろうと心に決めた。けれど、世の中には引き寄せの法則というものがある。当たり前のように彼女は僕の目の前に座った。社会人デビューしたといっても、元来チキンハートの僕は冷や汗が止まらない。

 しょうがないので、僕は彼女のことを会ったことのない人のように扱おうと決めた。この場を乗り切るにはそれしかない。そう決めた僕は、素知らぬ顔をして飲み物を注文した。

 幹事の乾杯の一声で会が始まった。僕は目の前に座った彼女をできるだけスルーしたかった。当たり障りのない会話で終わりたかった。がしかし、彼女はそれを許してくれなかった。

「久しぶり。」という声とともに、知り合いですという感じで話しかけてきたのである。当然、周囲も「えっ、知っているの。」という感じになる。僕の計画はあっけなく崩れ去った。

 そして、僕の頭の中をネガティブな過去が走馬灯のようによぎっていく。僕は、酒の肴に、僕の暗い過去の話が暴露されると思うと意気消沈した。せっかく、格好良くなった僕のイメージが。本当にチキンハートである。

 けれど、次に彼女から出てきた言葉は、僕の予想外のものだった。

「昔の事は忘れて、今日は飲もうやあ。」

と言われても、僕は酒は飲めないのだが、「お、おぅ。」と同意した。拍子抜けという言葉が最も似合う状況だったかもしれない。結局、最後まで彼女の口から過去の話は全く出なかった。ただ、過去の話をしようと思えばできたと思う。親しくはなかったとはいえ、彼女は、小中高の同級生だったのだから。

 もちろん、彼女も自分の過去に触れられたくなかったという理由もあったかもしれない。けれど、合コンを盛り上げるためだけを考えたら、僕の過去の話を面白おかしくするという選択肢もあったと思う。しかし、彼女はフェアだった。

 何はともあれ、チンケな僕のイメージは守られた。合コン特有の当たり障りのない会話で盛り上がり、会は終了した。当然、お持ち帰りはなしである。

 解散後、恒例というか当然というか男子だけの反省会があった。同じように同級生だったMは、彼女が一番良かったと言っていた。トークに対する彼女のリアクションが良かったらしい。

 彼女は、決して美人ではない。しかし、異性としてどう判断するかはおいておいたとしても、魅力的な女性に思えたのは、決して偶然ではない。もちろん、自分のイメージを守ってくれたことを差し引いてもだ。

 人は、どうしてもまずは外見に魅かれる。これは否定できないことだと思う。僕自身も見た目がかわいい女の子が大好きだ。けれど、その外見を凌駕する魅力が内面にあることもまた事実なんだ。 

 さて、この合コンの最終的な結果がどうなったのかは、また別の話である。

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